6つ目が、ソーシャルスキルトレーニング(SST)の授業を、年間を通して計画的に実施していることです。ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは、社会で人と人とが関わりながら生きていくために欠かせないスキルを身に付ける訓練のことで、広島みらい創生高等学校では、広島大学と連携して、1年次の「産業社会と人間」の授業の中で実施しています。
「産業社会と人間」は、高等学校学習指導要領では、総合学科においては、すべての生徒に「原則として入学年度に履修させる」学校設定教科に関する科目で、標準単位数は2~4単位と規定されており、この科目の目標、内容、単位数等を定めるに当たっては、次のような事項について指導することに配慮するものとされています。
ア 社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び望ましい勤労観、職業観の育成
イ 我が国の産業の発展とそれがもたらした社会の変化についての考察
ウ 自己の将来の生き方や進路についての考察及び各教科・科目の履修計画の作成
広島みらい創生高等学校のソーシャルスキルトレーニング(SST)の授業は、ミライズプログラム(MIRaES Program / Mastery of Interpersonal Relationship and Emotional Skills)とよばれ、上記の「ア 社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び望ましい勤労観、職業観の育成」に大きくかかわっています。
この授業においては、「人とやり取りをするスキル」、「考え方のスキル」、「気持ちをコントロールするスキル」、「問題の解決方法を考えるスキル」という4つのスキルを学ぶことをテーマとしており、具体的には、「上手な聴き方のポイント」「あたたかい言葉のかけ方」「自分の感情との付き合い方」などをペアワークやグループ活動を通して学んでいきます。
この授業の大きな特徴は、広島大学の大学院生に全面的に協力してもらい、本校の教員とティームティーチングで授業を行っている点があげられます。年齢的に生徒に近い大学院生が先生役として授業を進めていくので、お兄さんやお姉さんに教えてもらっているという感覚が生徒にとって学びやすい環境となっていると思われます。