広島には「みらい」があるじゃん

~中学生、高校生、保護者、教員の広場~

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3―12 新しい学びのスタイル9(学校建築・設備)


 9つ目が、学校建築や設備の面で、生徒の多様なあり様に配慮していることです。

 広島みらい創生高等学校には、校舎棟(4階建)と屋内運動場棟(3階建)があり、ともにエレベーター完備のバリアフリー仕様となっています。校舎棟は階段状の4層吹抜けが特徴で、ステップラウンジと呼ばれ、各階からすべての階が見渡せるように工夫されています。屋内運動場棟は2階がアリーナになっていて、校舎棟と2階の渡り廊下でもつながっています。

 通常、多くの学校では、校舎は複数の棟に分かれており、例えばある棟の4階から別の棟の4階へ移動する場合などには、途中の階に渡り廊下がなかったりすると、一度1階まで下りなければならないようなこともありますが、広島みらい創生高等学校は校舎棟が一つのため、授業ごとの教室移動をスムーズに行うことができます。

 校舎棟1階には、事務室、保健室、カウンセリング室、家庭科・工業科・情報科関係の特別教室などがあります。情報教室は2つが並んでいるため、生徒が普段授業を受けている教室が分からなくならないよう、情報教室1の椅子を緑色、情報教室2の椅子を橙色で配色を変えるなど、視覚的な支援を行っています。

 また、1階には、図書室もありますが、ここには、寝そべって読書ができるスペースもあります。蔵書数は新設校のため、まだそこまで多くはありませんが、専門教科・科目に関する書籍や小説などに加え、生徒のリクエストによる漫画などもおいています。

 2階には、普通教室と職員室、食堂などがあります。普通教室は、通常の40人規模の大きさの教室と少人数の授業のときに便利なハーフサイズの教室があります。そして、教室はすべてホワイトボードで、板書をしたり、消したりするときにチョークの粉が飛散するのを防いでいます。また、一日の大半を過ごすいわゆるHR教室がなく、授業ごとに教室を移動することから、机の物入れの中に教科書や筆箱等を入れたままにしないよう、机は物入れがない特注品となっています。

 職員室は、すべての教員が執務しつむできる大きさで、廊下側はガラス張りになっています。通常、多くの学校では、職員室の他に教科ごとに準備室があり、教員が職員室にいるのか準備室にいるのかが生徒には分からないことも多いのではないかと思います。また、廊下から部屋の中の様子が見えないため、せっかく勇気を出してドアを開けたのに、目当ての教員が不在でがっかりすることもあるかもしれません。

 この点、広島みらい創生高等学校では、実習系の教科(家庭科や福祉科など)については、他の学校と同様に準備室がありますが、国語科や数学科などの準備室はなく、基本的にすべての教員が職員室にいるため、生徒は目当ての教員を探して校舎内を探し回らなくて済みます。また、廊下側はガラス張りなので、目当ての教員が在室しているかどうかを廊下から確認できるため、ドアを開けてがっかりということもありません。

 ガラス張りの職員室は、生徒から丸見えということで、教員には今一つ人気がありませんが、生徒からよく見えるということは、職員室の内側からも生徒の様子がよく見えるということで、廊下などでの生徒間のトラブルに教員が迅速じんそくに対応するのに役立っています。

 食堂は、PTAが業者と委託契約を結び、朝から夕方まで開いているため、例えば4時間目に授業がない生徒は、昼休憩時間前であっても自由に食事をとることができます。また、食堂の西側にはオープンテラスもあり、天気が良い日には、広島みらい創生高等学校のすぐ西側を流れる元安川もとやすがわの景色(春は桜がきれいです)をながめながらゆっくりと食事をとることもできます。

 3階には、普通教室に加えて、職員室と同規模の大会議室、商業科・福祉科関係の特別教室などが、4階には、普通教室に加えて、理科・芸術科関係の特別教室などがあります。理科教室は、物理・化学・生物・地学の4つがありますが、これも情報教室と同様に、生徒が普段授業を受けている教室が分からなくならないよう、机の配色を変えるなど、視覚的な支援を行っています。

 この他に、生徒相談室を、職員室がある2階を除くすべての階に設置していますが、それぞれの相談室は、ソファーであったり、机と椅子の向きや形状を変えたりし、生徒の特性に配慮できるようにしています。

 自習スペースも各階に設置されていますが、それぞれのスペースによって、一人で集中して学習できるようパーテーションがある机があったり、教室と同じようなタイプの机があったりし、生徒が自分のお気に入りのスペースで自習できるよう工夫をしています。

 また、2階の普通教室近くの柱には、感情が高ぶったときなどにクールダウンするための小さなスペースもつくられています。

 このように、生徒の多様なあり様に応え、生徒が次のステップに向け自立することができるよう、学校建築や設備の面で様々な配慮がされています。

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