広島県の公立高等学校入学者選抜では、一次選抜で定員に満たなかった場合、二次選抜が行われます。
令和7年度については、一次選抜を実施した全日制の課程(本校)の高等学校84校142学科・コースのうち、一次選抜で定員を満たしたのは29校・51学科・コースにとどまり、半数以上の55校91学科・コースで二次選抜が行われました。全日制の課程(本校)以外の全日制の課程(分校)1校1学科、定時制の課程14校17学科、フレキシブル課程1校2学科においても、すべての学校・学科で二次選抜が行われました。
一次選抜の実施内容には、一般学力検査、調査書、自己表現、学校独自検査の4つがありますが、二次選抜の実施内容はどのようになっているのでしょうか。
ここでは、広島みらい創生高等学校の通信教育コース(通信制の課程)の「入学者選抜実施内容シート」をもとに、二次選抜の実施内容について説明します。(この表の下の説明文中の①~⑥は、表の左端の番号に対応しています)

① 定員(募集人数)
入学定員から一次選抜の合格者(入学を辞退した者を除く)を引いた人数が、二次選抜の定員(募集人数)となります。令和8年度の広島みらい創生高等学校の通信教育コース(通信制の課程)の入学定員は400名です。したがって、二次選抜における定員(募集人数)は、この400名から一次選抜の合格者数を除いた数となります(現時点では、まだその数が分からないため「-」となっています)。
② 配点の比重
一次選抜には、特色枠による選抜と一般枠による選抜がありますが、二次選抜には、このような枠はありません。
配点の比重を見ると、広島みらい創生高等学校の通信教育コース(通信制の課程)では、調査書:自己表現:学校独自検査=2:3:5と、学校独自検査の比重が大きくなっています。なお、この配点の比重は学校ごとに大きく異なっており、そもそも学校独自検査を行わずに、調査書と自己表現だけで選抜を実施する学校や、自己表現や学校独自検査よりも調査書の比重を非常に高く設定している学校もあります。
なお、各実施内容は換算後、合計1000点満点で評価されます
③ 調査書
調査書は、いわゆる内申点で、中学校1年生から中学校3年生までの学習の記録の評定及び合計評点が対象となります。(特記事項も選抜資料として活用されます)
a 第1学年及び第2学年の国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国語については、それぞれ指導要録 に従って5段階で評定されます。
b 第3学年の国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国語については、それぞれ指導要録に従って5段階で評定した評点を3倍します。
c 調査書の合計評点は、上記a及びbを合計した225点満点になります。
広島みらい創生高等学校の通信教育コース(通信制の課程)では、225点満点を200点に換算して評価します。
④ 自己表現
自己表現は、自己を認識する力、自分の人生を選択する力及び表現する力をみるために、個人ごとの面談形式で実施されます。実施時間は、1人当たり10分以内で、配点は、検査官1人当たり15点満点です。なお、実施時間の10分以内というのは、入室から退出までの合計時間で、実際に自己表現を行う時間は5分以内となっています。
広島みらい創生高等学校の通信教育コース(通信制の課程)では、自己表現の30点を300点に換算して評価します。ちなみに、自己表現の配点は、30点満点となっていることから、検査官は2人で実施されるということが分かります。
⑤ 学校独自検査
学校独自検査には、面接、作文、小論文及び実技検査等があります。
広島みらい創生高等学校の通信教育コース(通信制の課程)では面接が行われます。面接時間は5分で、100点を500点に換算して評価します。面接官の人数はこの表からは分かりません。
⑥ 特記事項
特記事項として、広島みらい創生高等学校の通信教育コース(通信制の課程)では、平日登校コース(定時制の課程)を第2志望とすることができます。
このように、二次選抜では、一次選抜にある一般学力検査や特色枠・一般枠による選抜がありません。その代わりに、一次選抜ではあまり見られない学校独自検査が入ってきます。
学校独自検査は、広島みらい創生高等学校のように面接だけを行う学校、作文あるいは小論文だけを行う学校、面接と作文(小論文)の両方を行う学校など様々です。
二次選抜を受検することになると、短期間で新たに面接や作文などの対策が必要となるため、負担が大きく感じられるかもしれませんが、令和7年度には、71校111学科・コースで2,748人もの二次募集の枠がありました。
このことから、「公立高等学校の一次選抜で不合格」=「すでに合格している私立高等学校への入学」とすぐに決めてしまうのではなく、条件に合う学校があれば、二次選抜を受検してみるという選択肢を残しておくのもよいかもしれません。
※令和8年度公立高等学校入学者選抜にかかる広島県教育委員会のHPはこちらからどうぞ
