広島には「みらい」があるじゃん

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5-5 通信教育コースでの面接指導


 次に、広島みらい創生高等学校の通信教育コースでは、面接指導はどのように行われているのでしょうか?

 面接指導とは、実際に学校に登校し、先生から対面で指導を受けることです。面接指導の位置づけとしては、通常の授業とは異なるものとされていますが、形態としては、中学校で受けている授業(高校生であれば全日制の課程の高等学校で受けている授業)をイメージしてもらえればよいと思います。

 高等学校学習指導要領では、面接指導は、「添削てんさく指導と同様、高等学校通信教育の基幹きかん的な部分」と位置付けていますが、面接指導が全日制や定時制の高等学校において実施されるいわゆる授業と違うのは、面接指導においては、「個別指導を重視して一人一人の生徒の実態を十分把握し、年間指導計画に基づき、自宅学習に必要な基礎的・基本的な学習知識について指導したり、それまでの添削指導を通して明らかとなった個々の生徒のもつ学習上の課題について十分考慮し、その後の自宅学習への示唆しさを与えたりするなど、計画的、体系的に指導する」ことが求められている点です。

 広島みらい創生高等学校においては、面接指導を受けるために学校へ登校することをスクーリングと呼んでいますが、このスクーリングは、2週間を1サイクルとして、前期・後期にそれぞれ7回分計画されており、同じサイクル(回)の中で行われる面接指導は、同じ科目であれば、どの曜日に出席しても同じ内容の面接指導を受けることができるようになっています。

 次に、スクーリングにおける面接指導の時間割のイメージを掲載しています。なお、学習時間帯については、第4章の「平日登校コースの学習時間帯」(4-3)に示した平日登校コースの日課表と同じになっています。

 これを見ると、日曜日、月曜日、火曜日は日中に7時間分、木曜日は夜間に3時間と4時間分の時間割が組まれているのが分かります。

 日曜日、月曜日、火曜日には7時間分の時間割が組まれているため、基本的には2週間に1回、いずれかの曜日のスクーリングに出席することで、選択した科目の単位の修得に必要な単位時間数をクリアすることができます。しかし、木曜日の夜間は4時間までしか時間割を組むことができないため、日曜日、月曜日、火曜日で行われる7時間分の面接指導を4時間と3時間の2回に分けて行っています。そのため、選択した科目の単位の修得に必要な単位時間数をクリアするためには、木曜日の夜間については、2週間に1回ではなく、毎週スクーリングに出席することが必要になってきます。

 このように、生徒は、自分の都合のよい曜日に、自分の選択した科目の面接指導がある時間帯に登校して面接指導を受けることになりますが、同じ回の中で、複数回(例えば日曜日と火曜日の両方)、同じ科目の面接指導に出席しても、同じ回の中では、同じ内容の面接指導を行っているため、複数回出席したとしても1単位時間分しか認められません。

 学校によっては、同じ内容の面接指導でも複数回出席すれば、その回数分の単位時間を認めるようにしているところもありますが、広島みらい創生高等学校においては、年度当初に生徒に配布する「シラバス」に年間の面接指導の計画などを掲載し、面接指導とレポートを一体的なものとしてとらえ、計画的に学習を進めるように指導をしているため、このような方法としています。

 高等学校学習指導要領においても、面接指導は、年間指導計画に基づき、計画的、体系的に指導することとしており、面接指導や添削指導は単に高等学校学習指導要領に定められた回数をクリアさえすればよいというものではありません。

 それでは、ライン2で、公共、化学基礎、保健、音楽Ⅰ、工業情報数理、ビジネス基礎を選択している生徒が、4月23日の日曜スクーリングに出席する場合、実際どのような動きになるのか見てみましょう。

 日曜日の時間割を見ると、公共は2時間目と3時間目にありますが、同じ時間帯に化学基礎と音楽Ⅰも重なっているので、この日はこれら3科目のうち、2科目だけに出席し、他の1科目は別のサイクル(回)のスクーリングの時に出席することになります(あるいは4月25日の火曜スクーリングなどに出席してもよい)。工業情報数理は1時間目と5時間目にありますが、5時間目にはビジネス基礎と重なっています。保健は4時間目にあります。

 どの科目に出席するかを決めるに当たっては、第1章の「必履修ひつりしゅう教科・科目」(1-6)で説明した必履修科目や本章の「通信制の課程での学習」(5-3)で説明した面接指導の必要単位時間数なども考えておかなくてはなりません。

 つまり、公共、化学基礎、保健、音楽Ⅰ、工業情報数理、ビジネス基礎のうち、必履修にかかわってくるのが、公共、化学基礎、保健、音楽Ⅰの4科目で、面接指導の必要単位時間数が多い科目が化学基礎と音楽Ⅰ(いずれも1単位当たり4単位時間必要)の2科目となります。

 このようなことを考えると、次のような選択パターンが考えられます。

パターンⅠ(朝早く起きるのが苦でない場合)
1時間目(工業情報数理)、2時間目(化学基礎)、3時間目(音楽Ⅰ)、4時間目(保健)、5時間目(ビジネス基礎)

パターンⅡ(朝ゆっくり起きたい場合)
2時間目(音楽Ⅰ)、3時間目(化学基礎)、4時間目(保健)、5時間目(工業情報数理)、6時間目(ビジネス基礎) 

 
 いずれのパターンにおいても、公共はこの日には出席しないようになっていますが、公共は必履修にかかる科目なので、必ずどこかのサイクル(回)の面接指導に出席する必要があります。

 また、午後は用事があるので、午前中だけのスクーリングで終わらせたいという場合は、パターンⅠの5時間目のビジネス基礎を別のサイクル(回)のスクーリングの時や4月25日の火曜スクーリングに出席することにして、この日は4時間目までのスクーリングとすることも可能です。

 このように、通信教育コースは、平日登校コースと違って、月曜日から金曜日まであらかじめ決められた時間割にそって出席する必要がない(どの科目に出席するかを自分で決めることができる)という点でよりフレキシブルであるといえます。

 加えて、このスクーリングを教室に視点を当てて見ると、次のようになります。

パターンⅠの場合、
1時間目(306教室)、2時間目(物理教室)、3時間目(音楽教室)、4時間目(大 教 室)、5時間目(204教室)

パターンⅡの場合、
2時間目(音楽教室)、3時間目(物理教室)、4時間目(大 教 室)、5時間目(203教室)、6時間目(204教室)

 
 このように、同じ教室にとどまることなく、常に移動することになります。また、同じ科目選択をしている生徒同士でも、その生徒がパターンⅠで登校し、別の生徒がパターンⅡで登校した場合、顔を合わすのは4時間目の保健の時間だけとなります。

 平日登校コースの場合は、同じ科目選択をしている場合であれば、通常、授業は毎時間同じメンバーで受けることになりますが、通信教育コースにおいては、同じ科目を選択していても、毎時間出席しているメンバーが同じとは限りません。

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