高等学校等就学支援金は、家庭の教育費負担軽減を図るための、国による授業料支援の仕組みです。
この制度は、2010年4月に「公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度」として、公立高等学校の授業料を無償化するとともに、私立高等学校に通う生徒にも一定額の助成を行うことを目的としてスタートしました。
その後、2014年には「高等学校等就学支援金制度」として一本化されました。この改正により、新たに所得制限が導入され、年収910万円を超える家庭は支援対象外とされる一方、私立高等学校に通う低所得世帯への支援金の加算が最大2.5倍に増額されるなど、私立高等学校の授業料の負担が大幅に軽減されることになりました。
2020年4月からは、それまでの就学支援金の支給上限額が全国の私立高等学校の平均授業料を勘案した水準(年収約590万円未満世帯を対象として、私立高等学校の全日制の場合、年額39万6,000円)まで引き上げられ、これまで以上に支援が充実することになりました。

ただし、この制度の対象は授業料に限定されており、入学料、教材費、施設整備費、通信制の課程のサポート校にかかる経費などは支援対象外です(自治体独自の支援策や「高校生等奨学給付金」などを活用することで、負担軽減が可能な場合もあります)。
支給期間については、原則として、全日制の課程の高等学校の場合は36ヶ月、定時制・通信制の課程の高等学校の場合は48ヶ月まで支給されます。また、単位制授業料の場合、制度の対象は74単位(年間最大30単位)までで、それを超える履修単位分の費用については支援対象外です。
このように、この制度による支援は、「支援期間(36ヶ月あるいは48ヶ月)」または「74単位」のいずれか早く到達した方で終了するので注意が必要です。
なお、この制度は、2025年4月には所得制限が撤廃され、2026年度からは私立高等学校の支援金上限額が45万7,000円まで引き上げられる予定です。