広島には「みらい」があるじゃん

~中学生、高校生、保護者、教員の広場~

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3-5 新しい学びのスタイル2(定通併修による単位認定)


 2つ目が、平日登校コース(定時制の課程)に入学した生徒が通信教育コース(通信制の課程)の科目を履修りしゅうし単位を修得しゅうとくしたり、その逆に通信教育コース(通信制の課程)に入学した生徒が平日登校コース(定時制の課程)の科目を履修して単位を修得したりすることができるようになっていることです。

 これは、第2章(2-10)で概要のみを説明した「定時制課程及び通信制課程の併修による単位認定」と呼ばれるもので、「①通信制の課程の生徒が、自校の定時制の課程又は他校の定時制若しくは通信制の課程において一部科目の単位を修得した場合、②定時制の課程の生徒が、自校の通信制又は他校の通信制の課程において一部科目の単位を修得した場合、当該校長の定めるところにより、その単位数を自校の卒業に必要な単位数に含めることができる」制度です。

 この定通併修へいしゅうによる単位認定については、上限は設けられていないため、卒業までに必要な単位数を在籍する課程(定時制あるいは通信制の課程)で1単位でも修得していれば、残りの単位をすべて、この制度を利用して他校や他課程(定時制あるいは通信制の課程)で修得しても、所属している学校・課程で卒業できる便利な制度です。

 広島みらい創生高等学校においては、定時制の課程と通信制の課程の両方の課程があるため、例えば、中学校時代に不登校等で毎日学校へ通うことに不安をもち、月に何度か登校すればよい通信教育コース(通信制の課程)に入学した生徒が、通信教育コース(通信制の課程)での学習をとおして学習のリズム・生活のリズムを取り戻し、毎日2時間ぐらいなら通学できるかもしれないとなった場合、この制度を利用して、これまでどおり通信教育コース(通信制の課程)に籍を置きながら、特定科目だけ平日登校コース(定時制の課程)の科目を履修し、その単位を修得できれば、卒業に必要な単位数に加えることができます。

 その逆に、平日登校コース(定時制の課程)に入学したが、病気や事故などで、毎日通学することが難しくなった場合、通信教育コース(通信制の課程)の科目と組み合わせて履修することで、通学の負担を減らしながら確実に単位を積み重ねて、卒業を目指していくこともできます。

 この定通併修による単位認定の制度は、このように法的にも認められている制度ですが、全国的に見ると、広島みらい創生高等学校のように、定時制の課程と通信制の課程の両方を併置している学校でも、そもそも制度として整備していなかったり、制度はあっても活用されていなかったりする学校もあります。

 活用されていない理由としては、生徒が在籍する課程でどの科目を履修し、他課程ではどの科目を履修しているのかといった履修管理が非常に煩雑はんざつになることがあげられます。全日制の課程の高等学校では、生徒は決められた年次に決められた科目を選択・履修していくので、結果として未履修が起こる可能性はほとんどありませんが、定時制の課程や通信制の課程の高等学校では、生徒によって年次ごとの選択科目が大きく異なるとともに、前年度に修得できなかった科目を再履修しなければならない生徒もいたりするため、未履修という事態を防ぐための履修管理が大変煩雑となります。

 また、後ほど改めて説明しますが、定通併修をする生徒によっては、一週間のうち、月曜日から金曜日までは定時制の課程で授業を受け、定時制の課程で授業がない日曜日などに通信制の課程で授業を受けなければならないなど、生徒の負担が増えることなども、定通併修による単位認定の制度が十分に活用されない理由と考えられます。

 ただし、この制度は、第2章(2―10)でも説明したとおり、定時制の課程と通信制の課程間にのみ認められている制度で、全日制の課程と定時制の課程・通信制の課程間には認められていないので注意が必要です。

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