広島には「みらい」があるじゃん

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3-2 広島みらい創生高等学校の誕生


 広島みらい創生高等学校は、2014(平成26)年9月に広島県教育委員会と広島市教育委員会が「新しいタイプの高等学校整備に係る基本構想」(以後「基本構想」)を発表したことにはじまります。

 もともと、高等学校の定時制・通信制の課程は、戦後、就業等のために全日制の課程の高等学校に進学できない青少年のための教育機関としての役割をになってきましたが、近年においては、中学校時代に不登校であったり、高等学校を中退して再び入学したりする生徒など様々な事情や背景を持った生徒が在籍するようになっています。

 実際、基本構想がつくられる前年(2013(平成25)年)度の広島市域における定時制の課程に在籍する生徒のうち、就労している生徒の割合は55.2%ですが、正社員として勤務している生徒の割合はわずか1.0%にすぎませんでした。また、中学校時代の長期欠席経験者の割合は43.7%で、全日制の高等学校に在籍する生徒の割合と比べるとかなり高い割合となっていました。

 また、広島県内で見ると、2000(平成12)年度には33,811人であった広島県の中学校卒業者数は、2013(平成25)年度には27,204人と、6,600人以上減少していますが、公立高等学校の定時制・通信制の課程の入学者数は、2000(平成12)年度の574人から、2013(平成25)年度は691人とむしろ増加しており、そのニーズはますます高まってきている状況でした。

 こうした状況の中、当時、広島市域の公立高等学校には、夜間の定時制の課程の高等学校が3校、夜間と昼間の両課程の高等学校が1校、昼間の定時制の高等学校が1校そして通信制の課程の高等学校が1校ありましたが、これらの定時制の課程の高等学校は、いずれも1学年1クラスから2クラスの小規模の学校で、それぞれの学校に配置されている教職員・開設されている科目も少なく、生徒のニーズに十分応えるものとはなっていませんでした。また、多くの中学生は、昼間に通学したいという希望を持っていましたが、これらの定時制の課程の高等学校は夜間の学校が多く、この点でも生徒のニーズに応えることができていませんでした。

 こうしたことから、「基本構想」が発表された4か月後の2015(平成27)年1月に広島県と広島市が基本協定書を締結ていけつし、翌年の2016(平成28)年4月には、広島市教育委員会指導第二課に「新しいタイプの高校準備係」が設置され、本格的に準備が進んでいくこととなりました。そして、2017(平成29)年2月に学校名が決定、同年4月に学校設置となり、2018(平成30)年4月に広島みらい創生高等学校は開校しました。

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