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1-2 高等学校の3つの課程


 学校教育法第53条及び54条で、高等学校には、全日制、定時制、通信制の3つの課程を置くことができると定められています。そして、これら3つの課程の違いについては、学校教育法第4条において、全日制の課程は「通常の課程」、定時制の課程は「夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程」、通信制の課程は「通信による教育を行う課程」とされています。

 このことから、全日制、定時制、通信制の違いは、主として授業を行う時間、時期または形態の相違によるもので、すべて高等学校として同一の目的、目標をもち、入学及び卒業の資格においても、これらの課程間に差異はないということになります。 

 このうち、卒業については、学校教育法第56条において、「高等学校の修業しゅうぎょう年限は、全日制の課程については、3年とし、定時制の課程及び通信制の課程については、3年以上とする」と定められています。また、学校教育法施行規則第96条において、「校長は、生徒の高等学校の全課程の修了を認めるに当たつては、高等学校学習指導要領の定めるところにより、74単位以上を修得した者について行わなければならない」と定められています。

 つまり、高等学校を卒業するためには、少なくとも3年の在籍と74単位以上の修得が必要であり、全日制の課程が3年、定時制の課程及び通信制の課程については3年以上とされているのは、週当たりの授業時間数が違うためです。

 通常、全日制の課程の高等学校においては、4月から翌年3月までの一つの年度内で毎週月曜日から金曜日まで毎日50分の授業を6時間程度受ける時間割になっていますが、定時制においては、多くの場合、毎週月曜日から金曜日まで毎日50分の授業を4時間程度受ける時間割になっています。

 高等学校における単位の計算は、高等学校学習指導要領において、「1単位時間を50分とし、35単位時間行われた授業を1単位と計算する」とされているため、毎週月曜日から金曜日まで毎日50分の授業を6時間受ける全日制の課程においては、1年間きちんと毎日授業に出て試験でも合格点を取れば、6単位時間/日×5日/週=30単位を修得できることになります(実際には、週当たり1単位時間、必ず時間割に組まれているロングホームルームの時間は単位にならないため、30単位から1単位減じて29単位になります)。これを3年間繰り返せば、90単位(実際には、ロングホームルーム分を減じて87単位)となり、「3年の在籍と74単位以上の修得」の卒業要件を満たすことになります。

 一方、定時制の課程の場合は、一日50分の授業を4時間受ければ、1年間で4単位時間/日×5日/週=20単位となり(ロングホームルームの扱いは全日制の課程と同じ)、3年間では60単位(20単位×3年間)、卒業までにあと14単位足りないため、あと1年在学し、4年間での卒業を目指すこととなります。定時制の課程において3年間で卒業するためには、3年間で74単位以上を修得する必要があるため、毎日、4時間ではなく、全日制の課程の高等学校と同様に5~6時間程度の授業を受けなければ3年間で卒業することはできないということになります。

 このことは、通信制の課程においても同様で、3年間で卒業を目指す場合には、4年で卒業を目指すよりも、年度ごとに修得しゅうとくしなければならない単位数は多くなります。(詳細については第5章で説明します。)

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